国指定重要文化財
国の重要文化財に指定
平成21年12月8日「草野家住宅」として、主屋1棟・蔵3棟及び庭園が国指定重要文化財に決定し、平成22年4月13日に文部科学大臣の指定書が届きました。
指定された建物(主屋1棟、土蔵3棟)のうち、主屋は玄関部、店舗部、客間部、新座敷部、隠宅部、仏間部からなる。最も古いものは享保10年(1725)頃建築の主屋仏間部で、次いで土蔵1棟が享保16年(1731)建築であり、いずれも保存状態は良好。また、通りに面して建つ玄関部、店舗部などは昭和9年(1772)の豆田町大火直後に建てられており、漆喰塗大壁(しっくいぬりおおかべ)で防火性の高い居蔵造(いぐらづくり)とし、重厚な外観を呈しています。
一方、主屋後方に位置する客間部、隠宅部などは幕末から明治・大正期にかけて増築されたもので、庭園とは一体となった明るく開放的な構成をもち、玄関部や店舗部とは対照的な造りとなっています。こうした開放的空間構成や、文人画の小襖、竹、唐木、奇木などの材種で華やかに整えられた室内意匠には当時日田で親しまれた煎茶席の建築的特徴が認められます。
北部九州における代表的居蔵造町屋であり、近世から近代にかけての都市住宅の変遷や商家の生活文化を伝える大型の町家建築として高く評価されています。
平成21年12月8日指定
日田教育委員会
大分県指定文化財「草野文書」
草野家に伝わる古文書で、足利尊氏の書簡や二代将軍足利義詮による直義追討の書簡なども含まれており歴史的にも貴重な資料です。
東京大学史料編纂所による調査も行われました。
足利尊氏の書簡は密書と伝わっており、その内容は南北朝動乱期を彷彿とさせてくれます。